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自社ノウハウを他社に公開する理由

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20数年かけて、
コツコツと築いてきたこと。
ようやく確かな
手応えを掴みかけている。

代表取締役社長吉岡 朗

「I&L Qualityのつくり方」を
社外に販売してみた

 当社では、これまでのソフトウェア受託開発事業と並ぶ新規事業として、2010年に「ソフトウェア開発品質向上支援サービス」を、2013年には、「新入社員研修構築支援サービス」、「IT技術者向け研修開発サービス」、「ソフトウェア開発事業者データベースの販売」、「人事考課制度構築支援サービス」を新規サービスとして提供してきました。

 ここまで当サイトを読み進めてくれた方にはピンと来たかもしれませんが、これらは要するに、当社が、あくまで自社の人材育成と業務レベルの平準化のために、20数年かけて築いてきたものを、ほぼそのまま商品にしたものです。商品の中身は、開発手順を細かく示したマニュアルだったり、新入社員研修に使っている研修本だったり、人事考課表そのものだったりします。これらのドキュメントや帳票類のすべてを収めたCDをバインドして、同業他社様に提供しているのです。

 教育研修ビジネスの会社ならともかく、こんなことをしているソフトウェア開発企業は、他にはないと思います。でも、私としては、これもまた“当社らしさ”なのかなと思っています。

「I&L Qualityのつくり方」を社外に販売してみた

「I&L Qualityのつくり方」を社外に販売してみた

“自社ブランド”のわかりやすい魅力

 おかげさまで受託開発業務でかなり忙しくさせてもらっていますので、こうしたサービスをパッケージ化することは、物理的にもそこそこ以上の負担がありました。日ごろ品質管理や新人教育を担当している品質管理グループや人材育成グループなどのメンバーが中心となって商品化しましたから、彼らにとっては仕事量が倍加した思いだったかもしれません。

 でも、なぜこんなことに踏み切ったのかといえば、ひとつには「自社ブランドを冠したサービスや商品が欲しい」と思ったからです。これは社長である私だけではなく、多くの社員が共通して漠然とながら常に抱いている“夢”です。

「自社ブランドのサービスや商品を持つ」ことは、受託開発企業にとっては憧れです。私たちも、ソフトウェアの受託開発では相当に高度な開発をやらせていただいているという自負はありますが、これらはあくまでお客様のものです。たとえば、若手社員がご両親に「お前はどんな仕事をしているのか?」と聞かれたときに、「どこそこのシステムを任されている」と説明するよりも、「あのヒット商品をつくっているのは自分だ」と答えられるほうがわかりやすい。もっとも、“わかりやすい”という程度のことではあるのですが。

  • ソフトウェア開発品質向上支援サービス
  • 新入社員研修構築支援サービス
  • 人事考課制度構築支援サービス
  • IT技術者向け研修開発サービス

“オリジナル”を求めても、
“突き抜けない発想”に留まる現実

 自社ブランドのサービスや商品を持つことで全社的にモチベーションが上がるなら、やらない手はありません。そこで当社では、ほぼ全社員が参加する新規事業検討のプロジェクトを立ち上げました。全社を8つの会議体にわけて、それぞれが事業アイデアを検討し、ドキュメントにまとめて会社に提案するという試み。これに2年の歳月を費やしました。

 しかし、結局のところ、残念ながら、新規事業としてトライするに値する自社ブランドの新サービスや新商品の提案は出ませんでした。もちろん、パッケージソフトやインターネットサービスの企画はたくさんありましたが、いずれも「どこかで見たようなアイデア」ばかりで、真に“当社ならでは”といえる企画はありませんでした。

 この結果は私たちの力不足を物語るものでしたし、事業化するに値しそうな企画を生み出すことのハードルの高さを改めて痛感させるものでした。

“オリジナル”を求めても、“突き抜けない発想”に留まる現実

“オリジナル”を求めても、“突き抜けない発想”に留まる現実

“仕組み”はお金で買えるが、
最後は“組織としてのやりきる力”である

 あるとき、ふと気づいたのが、自社のマニュアル類や研修本や人事考課の帳票類でした。これこそ、まさに“当社ならでは”のパッケージ。新たに開発しなくても、すでにそこに確たるものとして存在しています。しかも、これらを日常的に運用している間接部門のメンバーにとっては、めったにない“自分たちで売上を上げるチャンス”。同業他社の中でも、こうしたものを整備する余力がない会社様にとっては、業務改善の大きなきっかけに必ずなるはず。業界全体の向上に貢献したいというちょっと気負った思いもありました。

 で、実際に売り出してみたら……お問い合せいただいた同業他社様からはいろんな言葉がありました。「これを買ったら、開発するソフトの品質があがるの?」、「どうせだったら、研修の講師もやってくれないか」、「人事考課にかける時間がかなり増えそうだね」……等々。

 当社が同業他社様に提供しようと試みた様々なサービスは、要するに、すべて“仕組み”です。ほとんどの仕組みはお金を払えば手に入れられると思います。しかし、“仕組み”を日々きちんと運用するためには、関わる人ひとりひとりの強い想いと意志、組織としてきちんとやりきる力が不可欠です。

 自分のことは、自分で最後まできちんとやりきる。会社も個人も同じです。

 私たちは、すべての“仕組み”を自分たちで考え、試行錯誤しながら、自分たちの手で“当社の仕組み”として定着させてきました。そして、20数年経った最近になって初めて、ようやく手応えを掴めてきました。ノウハウを公開しようと思い立った程度に――。

 人材と組織を向上させることを目的としたあらゆる“仕組み”を定着させるために、組織として徹底的にやりきる。その遙か先にしか、人材と組織のスパイラルな向上はない。この新規事業の最大の成果は、この気づきでした。

吉岡 朗

1960年生まれ。シナリオライターをめざし、大学(法学部)卒業後は専門学校に通う。
24歳の時に、コンピュータ未経験でソフトハウスに入社。
3年間、会社員としてSEを経験する。その後、1年間の準備期間を経て、 1989年10月、当社を設立。現在に至る。

“仕組み”はお金で買えるが、最後は“組織としてのやりきる力”である

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