「何をやりたいか」は、焦って決めなくていいのだ。

 大学受験のころから、将来はコンピュータ関係の仕事に就くのがいいかな?と思っていました。ゲームが好きだったし、パソコンにもなじんでいたので。といって、コンピュータ関係の何をやりたいのかは、特に具体的なイメージがあったわけではありません。運良く情報工学科に受かったから入学し、入った以上は人並みに勉強して、卒研指導の先生にすすめられたテーマをきちんとこなして卒業した……という感じで。
 就活を始めた際も「まあSE・プログラマだろう」とは思っていたものの、どんな分野のシステムをつくりたいかは明確になっていなかった。そんな中、エージェントが紹介してくれた会社のひとつが、I&Lソフトウェアだったわけです。
 やりたいことが漠然としていた私にとって、I&Lソフトウェアの開発領域の幅広さは魅力的でした。そのうえ、どんな分野のプロジェクトに配属されたとしても、そこでしばらく頑張ってエンジニアとして一人前になれば、希望するプロジェクトに異動ができる“プロジェクトローテーション制度”もあるという……。
「将来にわたって何をやっていきたいか」を、今、焦って決めなくてもいい。
 これは、いろいろな可能性を自分自身でも探りながら、エンジニアとしてじっくり育ててもらえるということだと思いました。

“顧客の期待を超える”前に
お客様との約束を絶対に破らないこと。

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“最上級の顧客満足”とは「顧客の期待を超える成果を出すこと」なのでしょうが、そのずっと手前で「お客様との約束を絶対に破らないこと」が大前提だと思っています。より具体的に言うと、「お客様と協議を重ねて定めた要件定義は、すべて充たすこと」です。顧客満足は、まずそこから。
「時間が足りなくなったので、この工程は端折りました。でも、ちゃんと動くから大丈夫です」なんてことは絶対に許されません。たとえお客様には気づかれないような改変でも、うちの上司が見逃しません。逆に、作業途中でひらめきがあって、よりよい仕上がりになる変更でも、実行する前に正しい手順を踏んで了解をいただく必要があります。その手順を面倒に思って、せっかくの改善提案を行わないこともNGです。
 今の私の実力では、“顧客の期待を超える”のは、そもそも無理なのかもしれませんが、誠実かつ愚直に取り組むことならできます。その積み重ねでI&L QUALITYをめざしていきます。

理念に対するスタンスがブレない。
手間ひま惜しまず、なのに効率的。

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 新宿の本社オフィスのあちこちに「理念」を記したパネルが掲げられています。この理念を、ただのお題目に終わらせることなく、日々の仕事の成果につなげようとする人たち。社員数100名を超えるのだから、人柄やキャラクターはいろいろですが、理念に対するスタンスだけはまったくブレていません。それほどに浸透しているということです。
 手間ひまを惜しんでいては達成できない理念ですが、その一方で、先輩方の仕事ぶりは、おそろしいくらいに効率重視です。報告・連絡・相談のタイミングを外さないし、どれほど忙しくてもマルチタスクを平然とこなしています。
 こういう人に、一日も早くなりたいです。

発見や気づきに満ちた研修。
「イマドキC言語!?」と思ったのは不遜でした。

 これでも大学ではそこそこ勉強してきたつもりですので、正直言って「今の時代にC言語かよ〜」と思わないでもありませんでした。実際、大学では“コンピュータ言語の歴史”的な位置づけでサワリ程度にしかやっていなかったし、情報工学の専門課程ではどこも似たり寄ったりのはず。でも、技術研修でみっちり取り組んでみると、「メモリの扱い方の理屈」がよくわかったりなど、いろいろな発見があって興味深かった。有意義でした。
 技術研修との二本立てになっているのが、社会人としての側面を磨くカリキュラム。「ビジネスマナー研修」、「7つの習慣セミナー」といった社外研修も含めて、まさに「会社の理念を体に染み込ませる研修」ということなのでしょうが、きちんとわかってなかった社会常識を正しく学べて貴重でした。

どのプロジェクトに配属されようと
エンジニアの仕事は本質的にみな同じ。

 面接の際、「プロジェクトローテーション制度は素晴らしいと思いました」と社長に言いました。こういう仕組みがあればやる気も上がるし、万一配属先の業務が合わなかった場合でもやり直しが利くからです。すると社長はこう言いました。「そのとおりなんだが……実はこの制度を使うエンジニアは、きみが想像しているほど多くないのだ」と。
 どんな分野、どんなプロジェクトに行こうとも、エンジニアの仕事というものは、本質的にどれも同じ。顧客のニーズに耳を傾け、最適解を提示すること。現場によってアウトプットが違うだけ……。
 今の配属先はユーザ支援のチームだから、当初は「技術レポートやマニュアルばかり書いて、プログラムのコードを書く機会はないのかな?」とも思っていたのですが、つい先日、FAQ検索のためのチャットボットをつくりました。大学でもかじって興味を持っていたAI分野の仕事です。
 業務系システムをつくるのも、ゲームソフトをつくるのも、技術支援するのも、みな同じ。社長が言ってくださったことの意味が、最近ちょっとわかってきたような気がしています。