売上の多くが
エンドユーザー直接取引

 ソフトウェアの受託開発ビジネスは、大抵の場合、1つの会社だけですべての業務が完結するものではありません。エンドユーザー企業のシステム部門を最上流とすれば、部分的なプログラミングを請け負う開発会社を最下流とする多重の下請け構造があり、それらの間には、いわゆるSIer(エスアイアー:システムインテグレーション業者)が入ります。

 そうした業界構造の中にあって、I&Lソフトウェアは、大手SIerに伍して、エンドユーザーと直接取引する一次請け(元請け)にこだわってきた会社です。

 現在、エンドユーザーとの直接取引は全売上の多くを占めています。大手SIerとのパートナーシップで長期継続している案件もありますので、どうしても100%にはなりませんが、下流工程だけを引き受ける仕事はもうありません。

 エンドユーザーに常に寄り添うために、ユーザーニーズを直接聞いて「最上級の満足(=I&L QUALITY)」をお客様に提供すること。それが私たちのめざす姿です。私たちの企業目的である「I&L QUALITY」をお客様に提供するためには、直接取引は必然です。

売上高とエンドユーザー取引率推移

既存のお客様における営業の主役は
エンドユーザーと向き合っている現場エンジニア

 私は、営業担当です。一般的な営業の役割のひとつは、「既存のお客様の継続案件の仕事を取ってくる」ことですが、I&Lソフトウェアでは、必ずしもそうではありません。

 ソフトウェア受託開発ビジネスでは、お客様がエンドユーザーの場合、多くは、技術者数名からなるプロジェクトチームが、お客様先に常駐し、システム部門と直接向き合う業務スタイルをとっています。ですから、お客様先で新たな仕事の話があれば、現場の技術者が対応することが可能。「エンドユーザー直接取引にこだわる」ということは、中間業者の介在なしに、現場がお客様からの話を直接聞けるということ。当社技術者は、その自覚をもって日々の現場営業に取り組んでくれています。つまり、既存のお客様における営業活動の主役は、現場のエンジニアたち。

 既存のお客様における営業のミッションは、現場の受注活動の取りまとめや、後方支援。同業他社さんに「営業担当は自分しかいないんですよ」というと、ホント驚かれます。

お客様満足度調査結果

貴社の別部署や同じ業界のご友人に弊社をおススメできますか?(1:勧めたくない~10:ぜひ勧めたい)

競合相手は
グローバルベンダーや超大手ばかり

 直接取引させていただいているお客様では、常に目の前にはエンドユーザーがいます。この点で「お客様を探す努力」はさほど要りません。良い仕事を継続することが、ある意味営業活動です。

 とはいえ、当社のお客様は大手ユーザーがほとんどですから、現場に張り付いているのは、当社のチームだけではありません。外資系のグローバルベンダーや国内大手SIerなど、優れた競合相手が、別ラインでプロジェクトを走らせていますし、新しい仕事の受注を虎視眈々と狙っています。

 それら優れた競合相手とのコンペティションに打ち勝つことは「エンドユーザー直接取引」の醍醐味でもあります。

 I&Lソフトウェアのエンジニアは、シビアな現場で勝ち続けています。

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お客様の新規開拓
ターゲットはあくまでもエンドユーザー

 営業担当の重要なミッション。それは、当たり前のことですが、お客様の新規開拓です。これについても、そのターゲットはあくまでもエンドユーザー。

 ターゲットをエンドユーザーのみにするという、高いハードルを自分たちに課していますから、候補となるお客様はそう多くはありませんし、新規でお取引をいただくわけですから、受注に至るまでには時間がかかります。すぐに成果が出ることなんて絶対ありません。営業としては、地道に、愚直に、時間をかけて取り組むのみですね。

 とはいえ、お客様からお声掛けいただくケースも多いです。既存のお客様からのご紹介、お客様の担当者の方が転職して、その会社からお話をいただく、当社を退職した社員が声をかけてくれる、当社のホームページを見てお問い合わせいただく等々。

 実際には、一年に1社程度、新規のお客様と新たにお取引いただいている感じです。

 これも当社が良い仕事を継続してきたからなのだろうとは思っていますが、内心、恵まれすぎかなぁと……。

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M.S.

1972年生まれ。群馬大学工学部情報工学科卒。
新卒で地元のシステム会社に入社。SEとして4年半の経験を積む。
2002年、I&Lに転職。複数のプロジェクトリーダーを務めた後、2012年より“営業部”に異動。現在に至る。