5年制工業高専卒。おそらく社内最年少です。

 小学3年生ごろから家のパソコンをいじっていました。プログラミングを覚えたのは中2くらいかな? ゲームの『Minecraft』にドハマりしたことがきっかけになって独習しました。自分でプログラムを組めるようになると、ますますコンピュータにのめりこむようになって、進学先を選ぶときも、この道一択になっていました。
 ITを勉強するなら、回り道はしたくない。だから工業高専。高専は入試情報なども高校とは別枠じゃないですか。他人と違う道を行くのも、なんかカッコイイと思って。
 うちの学校は5年制なのですが、卒業後の進路は就職、専攻科進級、4年制大学編入……と多岐にわたっていて、じっくり考えるためにあえて留年する人も少なくありません。
 私もそういう“ゆとりの1年”を選択したのですが、たまたま父の知人の知人にI&Lソフトウェアの社員がいて、「もしよかったら、うちのホームページも見てみてよ」と勧められたのです。
 正直言って、それまで就職する意識はほとんどなかった。プログラマになる職業訓練をガッツリ受けてきたような5年間だったのに、プログラミングすること自体が楽しくて、「これを将来の仕事にするのだ」ということも忘れていました。
 そんな調子だったのに、勧められるままにホームページを見てみたら……この仕事やIT業界の良いところばかりか、キツい部分についても、データまであげて妙に詳しく書いてあるではありませんか。「真っ正直な会社だなぁ〜」と感心しました。
 こういう会社なら、仕事は多少厳しくても決してブラックじゃないだろう。
 こう思った瞬間からでした。私の中で、プログラミングが“職業”になったのは。

奥深すぎて、実はいまだに
しっかりイメージできていません。

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「顧客にとっての最上級」といわれても、実はいまだに、しっかりイメージできているわけではありません。「お客様ファースト」とか「品質を保証する」ということは理解しているつもりですが、ならば、何をどうすれば、それが達成できるのか? I&L QUALITYはゴールではないし、基準もないというのだから、ますます悩んでしまって。
 ただ、日常の業務を通じてつくづく思うのは「無駄がなく、すっきりとしたコードが書けても、それだけではダメなんだ」ということ。コードはプログラマにとって最終成果物であるわけですが、そこに至るまでの仕様書とか計画書といったドキュメント類が理路整然かつ誰が読んでもわかりやすく書けていないと、うちの上司はOKを出してくれません。「説明は少々ヘタクソでも、論より証拠で、正しく動作すれば合格」は絶対に通用しないのがI&L QUALITY。コーディングには自信があった私にとって、ドキュメント類のクオリティアップが目下の課題といえます。

ロジカルを貫いていると
“そういう人”になってしまうらしい。

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 I&Lソフトウェアの人たちは、常識的かつ協調的で、見た目は実に穏やか。
 といって、そういうタイプの人ばかりを採用しているというわけではないようで、ロジカルを貫く仕事を続けているうちに、大抵の人が、こういうふうになっていくのだそうです。
 SE・プログラマというと「無口で端末に向かうのが好きな人たち」のイメージがあるかもしれませんが、うちのプロジェクトリーダは弁舌巧み。お客様のどんな質問にもスラスラと答えて、課題があれば説得性のある解決策をその場でどんどん提案してしまいます。カッコイイです。飲み会の翌日にトライアスロンに出場するほど体力自慢な先輩もいます。この人もカッコイイけれど……とても真似できる自信はないなぁ。

研修担当に議論を仕掛けて……
報告・連絡・相談を覚えました。

 工業高専のカリキュラムは専門領域についてかなり内容高度ですから、入社してからの技術研修はそれほど難しいとは思いませんでした。
 ただ、目からウロコが落ちる思いがしたのは、「チームで進める開発」であることが、前提になっていた点です。自分ひとりですべてを作り上げるのなら「求められたとおりに動作すればいい」「納期に間に合えば手順を変えても大丈夫」ということかもしれませんが、これは絶対に許されなかった。そのときどきの作業進捗を正確に報告することが求められたし、疑問点や気づきがあれば、放っておかずに連絡・相談することを命じられました。
 研修担当とは、ときどき議論に発展することもありました。「私が考えた手順のほうが効率的です」などと生意気を言って、穏やかに論破されて撃沈……という感じでしたが。

どんな将来改修にも対応できる
コードを書いてやろうじゃないか。

 現在は、大手物流企業の社内業務システムを担当するプロジェクトに配属されています。
 開発領域の広さはI&Lソフトウェアの強みのひとつ。いろいろな分野のシステム開発に携われる可能性があるということだし、将来的には上流工程を任せてもらえるエンジニアになりたいと思っていますが、今の私はできれば、ひとつのプロダクトに長く関わりたいと希望しています。というのは、自分が書いたコードが、どれほどの改修に耐えられるのかを、自分の目で確かめてみたいと思うから。
 柔軟で豊かな拡張性が担保されているのが、I&L QUALITYのコーディング。もちろん、誰に引き継いでも大丈夫なように作るのですが、自分自身で高拡張性を実証して密かにニンマリしたい。エゴといわれたらそのとおりだけれど、「お客様が満足するものを作れた」と実感できたときの高揚感は、まさに“最上級”だと思うので。