入社の決め手は
「本社オフィスは23階」でした(!?)

 子どものころからアニメが大好きで、ライブ制作のような仕事に就けたらいいなあ……などと思って、メディアやITを幅広く勉強できる学科を選びました。就活も当初はエンタメ系志向。ゲームメーカーや映像制作、イベント企画といった分野を中心に企業研究したのですが、4年生になったあたりでITに軸足を移しました。
 でも、私の中では、大きな方向転換ということでもありません。“エンタメ系コンテンツの制作”と“実用系ソフトウェアの開発”は、つながっていると思うからです。
 登録したエージェントから「ゲーム開発でも実績豊富な会社ですよ」とI&Lソフトウェアを紹介されたときも「そういう仕事もやれたらいいな」とは思いましたが、ゲームにこだわったわけではありません。何もないところから自分の頭で考えて、モノをつくっていけるという点では、ゲームでもビジネス系でも、エンジニアがやることは同じ。
 そういうことより、会社選びの決め手になったのは……本社オフィスが、新宿副都心の高層ビル23階にあること!!
 くっだらねえ……と呆れられるかもしれませんが、会社選びでは大事なポイントではないでしょうか。こういう場所にオフィスを構えられるのは企業力の証明ですから。

100%ではなく、必ず120%で返す。その気構えは、今の私にもあります

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「求められたこと以上をレスポンスする」ということだと思っています。
 ソフトウェア開発は、お客様に依頼されて行う仕事です。システムの仕様はお客様と打ち合わせを重ねて決まるものですし、予算と納期も定められています。つまり、作業を始めるときには、「こうなっていれば100点」というイメージが、お客様と共有できているわけです。100点を取るのが当然で、お客様との約束を覆すことは許されません。
 でも、実際の現場では、想定外の事態も起こりますし、その逆に「ここはもっとこうできる」という新たな気づきもあります。そのとき、「そこまで求められているわけではない」とほどほどのレベルで手を打つのか、ギリギリまで手を尽くして“最上級”をめざすのか。
 今の私のスキルでは、一発でレビューを通ることはまずありません。自分ではどれほど手を尽くしたと思っていても、うちのチームの先輩がたは「ここはこうできる」という改善ポイントをやすやすと見つけてしまいます。私にとってのI&L QUALITYとは「100%で返すのではなく、必ず120%で返す」と思って取り組むこと。
 実力不足の現在も、その気構えだけはあります。

全ボツに近いダメ出しのときも、あくまで口調は穏やかです

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 IT業界全般にいえることですが、女性のエンジニアはまだまだ少ないのが実情のようです。私が配属されているプロジェクトでも、チーム8名中、女性は私だけ。比率だけでいうと、完全に“男の職場”ではあるのですが、不思議なくらいに男臭さがありません。
 これはたぶん、みなさん、話し方が実に穏やかだから。
 もちろん全社員の性格を把握しているわけではありませんが、少なくとも、会社説明会のときから今日まで直に接してきた、20何人かの先輩上司は、全員そんな感じ。キャラが似た人たちの集まり……ということではなくて、ロジカルシンキングを徹底する仕事柄だろうと思います。
 結果として全ボツに近いこともあるレビューのときも、先輩上司の口調は、ふだんとほとんど変わりません。あくまで穏やかに、でも、とことん理詰め。
 ミーティング中の雑談タイムで趣味の話をするときも、どこか理屈っぽくなりがちなのはご愛嬌ですが……。

論理立てた話し方を求められる。ロジカルシンキングの原点

 大学でもプログラミングの単位は取りましたが、新入社員技術研修では初めて学ぶことが多く、大変ではありました。でも、カリキュラムはすべてクリアできたわけで、振り返れば、厳しくも楽しい3ヶ月間でした。C言語というスタンダードを基礎から学んだことで、コンピュータ言語全般に応用できる理論を習得できたことは貴重だったと思います。
 課題をひとつこなすたびのレビューでは、いちいち論理立てた話し方を求められました。書いたコードが正解でも「なぜそう書いたのか」をロジカルに説明できないとOKはもらえません。これは学生生活では、なかなか身につかないこと。
 先輩方が全員ロジカルなのも、この研修を通過しているからなのでしょうね。

ワークライフバランス良好。公私ともに楽しめています

 IT業界は忙しい、特に納期直前は残業続き……というイメージがあるかもしれません。それは間違いとは言い切れず、当社の吉岡社長も、会社説明会や面接で「きつい仕事だよ」と率直に語っています。
 でも、その一方で「そこをなんとかしたい」と切に思っている気持ちも感じます。
 レビューではダメ出しだらけだし、勉強しなければならないこともたくさんあって、業務中は余裕がありません。とはいえ、手に余るような業務量を機械的に振られることはなく、進捗状況を踏まえて上司がしっかり調整してくださっていることもわかっています。
 おかげで土日はきちんと休めているし、有給消化も推奨されていて、平日に休暇を取って、好きなライブを楽しんだりもしています。ワークライフバランスは良好です。
 昨日までできなかったことが今日はできるようになった。明日はできることがもっと増えるだろう……そんな手応えを感じています。腕が上がれば、任される仕事の領域は広がるでしょうし、チャレンジしたいことを選べるようにもなるはず。
 そうなったら、ゲーム開発もやってみていいかも……。
 あくまで“ワーク”の一分野として、ですけど、ね。